刻印についての説明

なぜ刻印にこだわるのか?

icchi Leather craftで施す刻印は全てアメリカ製のヴィンテージの刻印機「Kingsley」社の機械を使用しています。厳密に言うと、電気系統の部分などがリペアされたものになります。

 

革に刻印する方法として、高熱で表面を焦がすレーザー刻印が一般的に知られていると思います。データさえあればさまざまな書体の文字やロゴなどを刻印できるので、とても便利で生産性が高い刻印方法だと思います。

しかし、どうしても機械的な仕上がりになり、どことなく味気ない印象を感じてしまいます(あくまで個人的な感想です)。実は刻印機には高温で圧をかけるタイプの機械を現行品で作っているメーカーが国内にも存在します。メーカーによって多少の仕様感は異なると思いますが、仕上がり具合は大体は同じになるかもしれません(実際に他のメーカーもの機械を試したことがないので何とも言えませんが...)。

 

ではなぜ「Kingsley」社の刻印機にこだわるのか、それは、、、、佇まいや歴史、ここに至るまでの背景全てが「かっこいい」からです!


自分は昔からアメリカ製のアンティーク集めが趣味なこともあり、ひと目見て「これにしよう」と思いました。決して安くはないのですが「Kingsley」以外に考えられず、これで行こうと決めました。

 

試行錯誤の連続の末に

注文してから約2ヶ月後に到着、これで素晴らしい刻印ができると思いいざ取り掛かるのですが、温度の設定にかなり手こずることになります。革の種類によって温度を変えないと仕上がり具合が全くと言っていいほど変わってきます。温度を上げすぎると表面が焦げてしまうので、焦げずに丁度良い焼き色になるまで、それこそ1度単位でひたすら調整していきました。

また金箔押しの場合も焼印加工と温度設定がガラッと変わるため、これも微調整を繰り返していきました。金箔の乗り具合は本当に絶妙で上から圧をかける時間もコンマ秒単位で調整を繰り返し、やっと納得のいく仕上がりにたどり着くことができました。

(箔押しでも金箔、銀箔、黒箔でも調整が異なります)

購入当初から説明書などついていないので、今でも尚、もっとこうしたらさらに良くなるんじゃないかとちょっとした微調整を繰り返しています。

 

一筋縄ではいかない相棒ですが、なんとか使いこなせるようになってきたと思います。
そんな困難の末、お客様から「刻印してよかった」と言ってもらえるようになりました。

この機械を導入する前はもっと簡易的な道具で刻印をしていたため、安定的に上手に刻印することができませんでした。それもハンドメイドの良さだと思っていましたが、ある時「これだったら刻印しなければ良かった」と言われたことがありました。

正直結構ショックでしたが、お客様が想像していたものとは違っていたのだと猛反省しました。それがきっかけで「刻印」に対して本気で向き合うようになっていくのでした。

icchi leather craftでは1万円以上の作品でも300円の作品でも同じように刻印をさせていただいています。ぜひ一度お手軽な作品からお試しいただけますと嬉しいです。

 

刻印の際は、1文字ずつ専用のホルダーに文字や数字などを間違えないようにセットしていきます。絶対に間違えないように何度も何度も確認するので手間も時間もかかります。それでも刻印が加わることでその作品により一層風合いが増すことは間違いないので、どんなに手間あっても続けていこうと思います。